三平のビッグファイトに立ち会う

めた・りっく

2009年03月29日 09:49

那珂川の、清水から塩原に抜ける川べり。

ここは桜のトンネルの名所だ。





私が少年とであったのはその対岸。

少年の名は三平三平(みひらさんぺい)。



「ギョシンさん、きたっ。ヤツだ!

んぐー、すごい引きだなや!

助けてけれー」

「サンペイくん、こいつぁ、持久戦になりそうだぜ」

「わかってるんだども・・・。にぎー、腕がしびれるっぺ」

その後約1時間にも及ぶ格闘。



「サンペイくん、やつはもう降参だぜ」

「んだなー、ようやくツラ出しやがった」

「どれどれ、サンペイ、取り上げるのを手伝おうか」

「けへっ、イッペイじいちゃん、笑わせんなや。

一人で十分。それにおら、こいつは取り上げねえ。

放してやろうと思ってるんだ」

「さすがサンペイくん!」



そして戦いは終わった。

身の丈二尺六寸(約80cm)。

この淵の主とも言えるであろう巨鯉は

天才つり少年の軍門に下ったのである。



われわれが通り過ぎようとしたとき

背後から今までに聞いたことのないような水音を聞いたのは

幻だったのだろうか・・・。

鯉に恋して、なんちゃって・・・。

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